ピュタゴラスの星、オンド・マルトノ、日本の電子音楽の巻

ピュタゴラスの星」諸井誠

サツ「はい、第11回目です」

バツ「9月2日に作曲家の諸井誠さんが逝去されたとのことです。今日は諸井さんの電子音楽作品について採り上げたいと思います。まず、諸井さんの経歴について、2日付の毎日新聞から引用したいと思います」

東京都出身。東京音楽学校(現・東京芸術大)で作曲を学び、1953年にエリザベート王妃国際音楽コンクールで日本人初の入賞を果たした。柴田南雄黛敏郎らと「20世紀音楽研究所」を組織。電子音や邦楽器を取り入れ、現代音楽の可能性を広げた。代表作に「ピアノのためのαとβ」など。後年は音楽評論家としても活躍した。95年紫綬褒章

 

サツ「現代音楽の作曲家の方だね」

バツ「そうですね。ただ、ぼくは諸井さんの現代音楽の作品は聴いたことないんです。でも、彼が昔に手掛けた電子音楽にいくつか触れたことがあって、特に彼の1959年の「ピュタゴラスの星」は大好きです。初めて聴いたときにはかなり衝撃を受けました。この作品は、音楽詩劇の側面を持っていたようで、日本語のセリフが飛び交う中に、電子音が絡みついてくるのですが、その様が本当に面白くて思わず聞き入ってしまいます。50年以上も前にこんな音楽が作られていたのかと思うと脅威的なことだと思います」

サツ「ホントにこれはショックを受けるよね。是非聴いてもらいたいなぁ。CDは廃盤でなかなか手に入れにくいかもしれないけど」

オンド・マルトノ

バツ「この「ピュタゴラスの星」には、オンド・マルトノという楽器が使われているそうなのですが、この楽器がすごく面白いんですよ」

サツ「浮遊感のある音を出す不思議な楽器だよね」

バツ「そうなんです。ウィキペディアによればオンド・マルトノはこんな楽器です」

オンド・マルトノ (Ondes Martenot) とは、フランス人電気技師モーリス・マルトノによって1928年に発明された、電気楽器および電子楽器の一種である。

鍵盤(英名キー key 、仏名クラヴィエ clavier )またはその下につけられたリボン(英名リボン ribbon 、仏名リュバン ruban )を用いて望む音高を指定しつつ、強弱を表現する特殊なスイッチ(英名タッチ touch 、仏名トゥッシュ touche )を押し込むことによって音を発することができる。多くの鍵盤型電子楽器がオルガン同様両手の同時演奏や和音による複数の音を同時に発することができるのに対し、オンド・マルトノテルミンに類似しており、基本的には単音のみの発音しかできない。

鍵盤とリボンによる2つの奏法、特にリボンを用いた鍵盤に制限されない自由な音高の演奏、トゥッシュと呼ばれる特殊なスイッチによる音の強弱における様々なアーティキュレーション表現、多彩な音色合成の変化、複数の特殊なスピーカーによる音響効果によって、様々な音を表現することが可能である。

 サツ「これだけだと良くわからないから、動画を観てもらおうか」


オンド・マルトノの音色 - YouTube

バツ「これを観ると、ますます不思議な楽器だなという気がしてきますよね」

サツ「なんか不定期の営業みたいだけど、オンド・マルトノの実物を見ることができるオンド・マルトノ・カフェが浅草にあるみたいね」

バツ「行ってみたいなぁと思ってるんですけど、まだ一度も行ったことないです、残念ながら」

サツ「かなり気になるよね」

『日本の電子音楽(増補改訂版)』川崎弘二

バツ「さて、諸井誠さんの話に戻って、諸井さんの貴重なインタビューが載っている川崎弘二さんの『日本の電子音楽(増補改訂版)』をご紹介して、今日はこのへんで」

サツ「諸井さんのご冥福をお祈りいたします」

バツ「諸井さんの電子音楽作品を始め、日本の電子音楽黎明期の貴重な音源が入った『音の始源を求めて』というCDのシリーズって軒並み廃盤なんだよね」

サツ「悲しいけど、ホントのこと(是非、再発を!)」