幻魔大戦、銀河漂流バイファム、魁!!クロマティ高校の巻

幻魔大戦 /「光の天使(Children Of The Light)」 Rosemary Butler 

サツ「はい、第14回なわけですが」

バツ「今日は、アニメの中に見るプログレということで3つほどご紹介を」

サツ「アニメ、あまり観ないのに、結構採り上げるのね」

バツ「やっぱりアクセス数を稼ぐにはアニメなのかと」

サツ「考え方が安直すぎるね。それじゃ、アクセス数、伸びんだろ」

バツ「では、まず『幻魔大戦』を。りん・たろう監督による1983年の作品です」

サツ「映画版『銀河鉄道999』とかを手掛けてる監督だね」

バツ「そうです。で、キャラクターデザインは大友克洋さんなんですが、大友さんにとってアニメ制作に初めて関わったのが『幻魔大戦』ですね」

サツ「『幻魔大戦』といえば元々は週刊少年マガジンに連載された平井和正さんと石森章太郎さんによる漫画が原作なんだよね」

 

バツ「ここらへん、結構複雑なんですよね。『幻魔大戦』が最初に世に出たのは、その週刊少年マガジン版の漫画(1967〜)が最初なんですが、連載が打ち切りになって、その後、2人は『新幻魔大戦』(1971〜)を開始。で、これも中断。そして、平井さんは小説『真幻魔大戦』(1979〜)を開始し、石森さんはコミックリュウで別の漫画版『幻魔大戦』(1979〜)を始めるんですよね。しかも、平井さんは、最初のマガジン版『幻魔大戦』のリメイクとして角川文庫版『幻魔大戦』(1979〜) を同時並行で開始しちゃうんです」

サツ「もう、この時点で、こんがらがってくるね」

バツ「しかも角川文庫版『幻魔大戦』は、当初マガジン版『幻魔大戦』のリメイクだったはずなんですが、途中で新興宗教の話に突入して、全く別の話にそれて行くんです。で、最終的に幻魔はどうなったの?という形で読者を置き去りにして終了。ぼくは、高校生の頃に読んだんですけど、新興宗教の話になってから、なんじゃこりゃと思いつつ、耐えに耐えて最後まで読み進めましたよ。完全に苦行でしたね」

サツ「主人公の東丈が途中で失踪して、結局主人公不在のまま物語が終わるしね。その後、『ハルマゲドン』という続編に進むけど、未完で終了」

バツ「『ハルマゲドン』は読んでないですが、未完みたいですね。『真幻魔大戦』も未完です」

サツ「良く考えるとすごいよね。最近、『GANTZ』の終わり方が酷いってネットで話題になっていたけど、『幻魔大戦』シリーズの方がよっぽど物語を回収せずに読者を置いてけぼりにして終わってる気がするよね。しかも、パラレルな作品を複数作って、どれも未完で終わるというすさまじさ」

バツ「そうなんですよ。でも、嫌いになれないです。そんなぶっ飛んでる平井さんを」

サツ「わかるわー。で、『幻魔大戦』の映画版に話は戻るわけだけど、これは角川文庫版の小説の最初のいい感じのところをうまくまとめて、いい感じの結末にして一本の完結した作品にしてるよね」

バツ「物語のまとまりという意味では映画版が一番ちゃんとしてる気がするので、これから幻魔大戦の世界に足を踏み入れるには、これが一番オススメな気がしますし、これを観とけばいいと思いますね。一応、あらすじをアマゾンのページから引用するとこんな感じです」

トランシルバニアの王女にしてエスパーのルナは、宇宙の意識体フロイ、サイボーグ兵ベガと協力し、世界征服をもくろむ<幻魔>から地球を守る戦いを始めることを決意。ルナは世界中の超能力者を集めて幻魔に対抗しようと考える。一方、日本の高校生、東丈は、ベガの挑発によってそれまで気づいていなかった超能力を開花させるが、彼の前に<幻魔>が出現する。

サツ「良くわからないあらすじだと思うけど、まぁ、こういう話だよね。で、そろそろ音楽の話に入ってもらいたいんだけど」

バツ「はい、で、この映画版『幻魔大戦』の音楽を手掛けたのがキース・エマーソンなんです。正確に言うと、青木望さんの曲も入っているので、全曲がキースの手によるわけではないんですけどね。」

サツ「キース・エマーソンは、音楽監督という位置づけみたいだよね。キースといえば、5大プログレバンドの1つであるEmerson, Lake & Palmer(ELP)のキーボード奏者だね」

バツ「ELPに関してここで語り出すと長くなるので触れませんが、まぁ、プログレ界の大スターのオッサンということですね。その人が、日本のアニメ映画のサントラを手掛けているということで、プログレ関係者的には、必須なのが映画版『幻魔大戦』なわけです」

サツ「ま、ぼくら的にはむしろ『幻魔大戦』を観てキースの音楽に触れていたから、後にプログレ道という茨の道へと進んでしまったとも言えるよね」

バツ「そうですよね。で、このキースの手掛けたサントラ、CD化されてますけど、廃盤みたいで、アマゾンだと結構な値段がついてます。LPなら500円以下で見つかると思うので、LPを探されると良いと思いますね。ジャケットも違いますしね」

サツ「で、キースの手掛けた「地球を護る者」のキーボードのリフが素晴らしいんだよね。頭で何度もリフレインしちゃう」

バツ「LPのライナーのキース、角川春樹、りん・たろうの座談会での発言を見ると、りん・たろう監督は、当初、この曲をニューヨークのアクションシーンで使う予定だったみたいですけど、曲が良かったからクライマックスのシーンにも使うことにしたみたいですね」

サツ「それ、絶対正解だよね」

バツ「あと、印象的なキースの曲としては主題歌の「光の天使(Children Of The Light)」です。これは当時日本でかなりヒットしたみたいです。海外では全く売れてないみたいですが」

サツ「この曲のメロディも素晴らしいよね。この頃の角川映画にはこういう名曲がとにかく多い!」

バツ「いずれ、採り上げると思いますよ、そこらへん」

銀河漂流バイファム/「HELLO, VIFAM」TAO

サツ「長くなったんで、次に行こうか」

バツ「次は、『銀河漂流バイファム』。サンライズの手掛けたアニメで、これも1983年の作品。ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』をモチーフにしたロボット・アニメです」

サツ「観たはずだけど、全然覚えてないね」

バツ「ぼくも内容はほとんど覚えてないです。主題歌の「HELLO, VIFAM」を手掛けたのはTAOという日本のプログレバンドで、結構カッコいいです。主題歌は当時ヒットしたみたいです。30万枚ほど売れたそうな」

サツ「メンバーにヴァイオリン奏者が入っているところがポイント高いよね」

バツ「Kansasのポップな曲でのヴァイオリンみたいに、ギュッと曲を引き締めてますよね。TAOの唯一のアルバム『Far East』は、田中雄二さんの監修の元に再発されていますので是非」

 魁!!クロマティ高校美狂乱

サツ「では、次は」

バツ「はい、今度はいきなり2003年に飛んで、『魁!!クロマティ高校』です」

サツ「原作は、週刊少年マガジンに連載されていた野中英次さんの漫画。不条理なギャグ漫画で面白いよね」

バツ「その漫画のアニメのサントラを日本のプログレバンド、美狂乱が手掛けているんですよ。美狂乱は、日本のキング・クリムゾンと言われるバンドで、クリムゾンみたいな硬質なリフと変拍子の曲が多くて、カッコいいんですが、そのバンドがなぜか、クロマティ高校のサントラを手掛けているという」

サツ「これについては、ホント、衝撃を受けたよね。謎すぎて。しかし、曲が短いけど、カッコいい

バツ「美狂乱については、もうちょっと書きたいんですが、今日は止めておきます。これ以上書いても誰も読んでくれないですもんね」

サツ「悲しいけど、ホントのこと!」