『追悼!天尾完次』@シネマヴェーラ渋谷、1度しか行けずの巻

『追悼!天尾完次』

サツ「はい、第47回です」

バツ「今日は、シネマヴェーラ渋谷で開催された『追悼!天尾完次』*1という特集についてです」
サツ「この特集は、ホント素晴らしいラインナップだったよね。ま、下記のタイトルだけ見ると、なんじゃこりゃって思ってしまいそうなタイトルのものばかりだけど」
バツ「嫁さんからは、こういうの好きだよねーって冷たく言われるタイプの映画ばかりですからね、ある意味。でも、見世物としての映画として素晴らしいし、あの時代だからこそ作れた作品ばかりなので、一度観ておいても決して損はないものばかりなんじゃないかと思います」
『残酷異常虐待物語 元禄女系図』
『温泉みみず芸者』
『現代ポルノ伝 先天性淫婦』
『徳川セックス禁止令 色情大名』
『恐怖女子高校 女暴力教室』
『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』
『恐怖女子高校 暴行リンチ教室』
『狂走セックス族』
『女番長〈スケバン〉感化院脱走』
『やさぐれ姐御伝 総括リンチ』
『ボクサー』
多羅尾伴内 鬼面村の惨劇』
『天使の欲望』
『二百三高地』
『白蛇抄』
サツ「天尾完次さんについては、正直良く知らなかったんだけど、オレたちの大好きなあの時代の東映の作品を様々手掛けていたプロデューサーの方なんだよね」
バツ「シネマヴェーラは良い特集が多いんですけど、プロデューサーでまとめた特集ってあまりないと思うので、すごく貴重だなぁって思います。観たことがある作品も結構あるんですが、やっぱりスクリーンで観られたらいいなと思うので、自分が学生とかだったら、絶対に毎日入り浸って観てましたね。絶対に、絶対にだ」

 

『狂走セックス族』

サツ「で、今回の特集、結局、行けたの?」
バツ「いやー、ホント全然行けなくて。観られたのは、唯一、『狂走セックス族』*2だけでした」
サツ「なんでそれをチョイスしたの。タイトルに釣られたんでしょ?」
バツ「ま、それも無きにしも非ずですけど、DVD化されてないし、観たことなかったんで観たいと思いましてね。二本立てなんで併映の『恐怖奇形人間』も観たいところでしたが、残念ながら時間がなくて一本だけに」
サツ「まー『恐怖奇形人間』はなんだかんだで何回か劇場で観てるしね」
バツ「そうなんですよ。それに比べると『狂走セックス族』はあまり詳細を聞かないし、この手の映画がまとめられた『東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム』でも、それほど大きく取り上げられていませんでしたしね」

東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム

サツ「今回観てわかったと思うけど、ピンキー・バイオレンス*3って感じではないもんね」
バツ「たしかに、これは走り屋の白バイ警官と走り屋のドラ息子のバイクを巡る小競り合い*4ってのがテーマですからね。タイトルに若干偽りアリですよ。ホントは、狂走族でいいんですよ。狂走族で」
サツ「それだと、お客が入らないでしょ。それに、映画の冒頭でバイク乗りの女の子4人*5が裸でバイクにまたがって、モーターの振動でオナニーをしたり、その後、男女8人が裸でバイクに乗って曲芸みたいな感じでセックスしたりする描写もあるしね」
バツ「いやー、あのシーンのおバカな感じは面白いですよね。しかし、撮影たいへんだったろうなぁ」
サツ「今、ああいう映像を撮ろうとしたら、いろいろ問題になりそうだよね」
バツ「当時も問題だったと思いますけどね。ゲリラ撮影で乗り切ったんでしょうねー。同じようにバイクに乗りながら裸でセックスをするというシーンは『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』の中にもありますね。これも『狂走セックス族』同様、天尾完次さんがプロデュースで、皆川隆之さん、鈴木則文さんが脚本です。おバカな着想のナイスリサイクルでございます!下の予告編の最後にそのシーンが出てくるので、興味のある方はご覧いただければと」
サツ「あと、『狂走セックス族』のオープニングのバイクのシーン。バイクにカメラをくくりつけて、ローアングルでバイクが走っている地面の映像を撮ってるんだけど、あれがカッコいいんだよね。車酔いしそうになるけど。そこに入ってくるタイトルのロゴがめっちゃカッコいいよね」
バツ「ステッカーがあったら欲しいす!付ける場所ないけど!」
サツ「『狂走セックス族』なんて書いてあるステッカー、付けづらいだろうねー」
バツ「それから、この映画は、京都を舞台にしているので、鴨川沿いとかをバイクが走りまくるところとかが映っていて、あの時代の京都の風景を観ることができるのも楽しいですよね」
サツ「東映の京都撮影所の作品には、そういうのが多いから京都好きとしては嬉しいよね」

上田正樹とMZA

バツ「あと、音楽を上田正樹とMZAが手掛けているんですが、そのMZAには佐藤博さん*6石田長生さんも参加しています。で、その上田正樹&MZAが映画に出演しているんですよね。ベースレスの編成なんですが、ものすごくカッコいいです。ベースは佐藤博さんのキーボードが担当していたのかなー


上田正樹とMZA/狂走セックス族/1972 - YouTube

サツ「上の動画で聴けるもの以外もなかなかカッコ良くて、サントラが出てたら欲しい感じだよね。上田正樹さんのキャリアとしては最初期の方の作品になるみたいだね」

バツ「「悲しい色やね」とはだいぶ違ったイメージですよね」

『東映ゲリラ戦記』鈴木則文

サツ「あと、『狂走セックス族』の脚本を手掛けていて、『忍びの卍』、『温泉みみず芸者』、『現代ポルノ伝 先天性淫婦』、『恐怖女子高校 女暴力教室』他の監督を務めた鈴木則文さんは、最近、『東映ゲリラ戦記』という本を出されたよね。早く買って読まないとだよね!」

東映ゲリラ戦記 (単行本)

バツ「ですです。この時代の東映の撮影所のエピソードとかは、今、考えたらありえないと思うような豪快なものが多いので、本当に読んでいて面白いですしね。是非、早く読みたいです。表紙も素晴らしいですしね」

サツ「この本を機に、また鈴木則文監督の特集が組まれるといいけどね」

バツ「ですよねー。でも、また、今回みたいに結局、ほとんど観に行けずに終わってしまいそうですけど」

サツ「悲しいけど、ホントのこと!」  

*1:平成25年11月9日から同月29日まで開催

*2:1973年の作品。

【監督】皆川隆之
【脚本】皆川隆之、鈴木則文
【出演】渡瀬恒彦、白井孝史、杉本美樹、伊佐山ひろ子、寺田宗雄、殿山泰司ほか
【あらすじ】スピード狂の川口淳哉(白井)は、仲間と共にオートバイで毎日のように町を走り回っていた。ある日、それを見つけた白バイ警官の本郷晃(渡瀬)にマークされ、淳哉は必死の逃走をはかるが捕まってしまう。350ccの自分のオートバイでは白バイにかなわないと知った彼は、仲間に父親を脅させてナナハンを手に入れ、改良を施して白バイに挑んでいく。満たされぬ気持ちをオートバイにぶつけ、狂奔する若者の生き様を描く。『女番長』シリーズの脚本を手がけた皆川隆之の第1回監督作品(東映チャンネルホームページより引用)ちなみに、ここに詳細なあらすじが書かれていますが、結末が実際の映画と違います。ネタバレになるので、あえて書きませんが、渡瀬さんがまさかの行動に出て、えっそう来るの!という驚きの展開になります。この場面で思わず笑ってしまった人もいるとかいないとか

*3:簡単に言うと、お色気を放ちまくる女性がスクリーンで大暴れするアクション作品のこと

*4:渡瀬恒彦さん演じる白バイ警官と白井孝史さん演じるドラ息子は、ともにスピード狂で張り合うがゆえに勝手に事件に巻き込まれ深みにはまっていくという全くもって浅はかな感じの物語の展開なのですが、その破滅的な感じが映画として観る分には面白いです。白バイ警官もドラ息子も共に友達には欲しくないタイプ

*5:『東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム』によれば、この女の子たちは「オナニー族」と名乗っているらしいですが、今回、ぼくが観たときはそのように名乗っているところは確認できませんでした。って、どうでもいい情報でしたね

*6:キーボーディストとして細野晴臣さんや大瀧詠一さんや山下達郎さんを始め数々の名作に参加するとともに、作曲家として数々のアーティストに楽曲を提供し、自らもシンガーソングライターとして活躍