1000円(税抜)以下レコードの巻(4)

海援隊『誰もいないからそこを歩く』→300円

サツ「はい、第63回です」

バツ「今回も、1000円以下レコードのお話です。1枚目は、ディスクユニオンの100円市から離れて、神保町0cc(ゼロシーシー)で入手した海援隊の80年のアルバムを」

サツ「神保町0ccは神保町の交差点から白山通りを水道橋方面にちょっと北上して路地に入ったあたりにあるんだよね」

バツ「そうですね。神保町の交差点から2分くらいのところにあるので、神保町でレコードを探す人は、ルートに入れると良いと思います。オールジャンルの店ですが、邦楽とジャズが多いという印象ですね」

サツ「で、レコードに戻すけど、何で今さら海援隊を買ったの?」

 

誰もいないからそこを歩く (紙ジャケット仕様)

誰もいないからそこを歩く (紙ジャケット仕様)

 

バツ「海援隊といえば、坂本龍馬好きの武田鉄矢が率いていたグループで金八先生のテーマ曲を歌っていた程度の知識しかないですよね?」

サツ「まー、「贈る言葉」とかを歌ってる程度の知識しか持ってないなー」

バツ「「贈る言葉」はTBSドラマ『3年B組金八先生』の第1シリーズのテーマ曲で、金八先生といえば、この曲ってくらいに有名だと思います。でも、ぼくが聴きたかったのは「贈る言葉」ではなくて、第2シリーズのテーマ曲である「人として」だったんです」

サツ「なんで急に「人として」を聴きたくなったの?」

バツ「いやー、最近、それって人としてどうなのよ!というどうかと思う出来事に遭遇したときに、なぜか「人として」が頭の中で勝手に再生されることが多かったんですよ」

サツ「なんだよ、それ」

バツ「で、そういうどうかと思う状況の中で脳内に流れる「人として」のサビの歌詞がいいんですよ」

人として人と出会い 人として人に迷い

人として人に傷つき 人として人と別れて

それでも 人しか 愛せない

それでも 人しか 愛せない

サツ「あー、そうですか」

バツ「それでも~人しか~愛せな~い~っていうサビの終わりが頭に巡ると、まあ、人間いろいろあるけど、仕方ないかと思えて、その状況を受け入れて、何とかしようという発想になるんですよね」

サツ「そうなんだ、ふーん」

バツ「「人として」、ものすごく説教くさくてなんだかなーって思うんですけど、最終的に、それでも人しか愛せない~でなんとなく納得してしまう感があるんですよ。で、ちゃんと実際の音源を聴こうと思ってこのアルバムを買ったんですよ」

サツ「いまいち、共感できないんだけど・・・。つーか、それって、金八先生の第2シリーズへの思い入れ込みで、そう思ってるだけでしょ」

バツ「そうかもしれないですねー。金八先生の第2シリーズには相当影響されましたからね。「腐ったミカンの方程式」!」

サツ「君、リアルタイムで第2シリーズを観ていたわけではないよね?」

バツ「そうですね。第2シリーズの放送は80年だったんで、その頃は、テレビドラマとかを観ている年齢ではないですね。でも、ぼくが小学生とか中学生のころには、夕方に良く、金八先生スクールウォーズの再放送がされていて、学校から帰った後に、鼻をほじってアホづらしながら、良く観てましたからねー」

サツ「で、海援隊のアルバム自体はどうだったのよ」

バツ「まず、「人として」は、やっぱり名曲でした。アレンジが大村雅朗さんなんだーってので驚きました。どおりで折り重なる音の響きとか素晴らしいなと。大村雅朗さんといえば、松田聖子さんとかの楽曲で有名ですが、ぼくとしては、谷村有美さんとか渡辺美里さんとか大江千里さんとか、思春期の頃に良く聴いた楽曲のアレンジを手掛けていた方なので、「人として」も大村さんアレンジなのかーとなんだか勝手に感慨にふけってしまいましたね」

サツ「他の曲はどうだったの?」

バツ「他の曲に関してですが、驚いたのが、意外と武田さん以外のメンバーが歌ってる曲が多い!ってことでしたね。正直言って武田さんって特に歌がうまいってわけではないですけど、一聴してすぐに彼とわかる説教くさい節回しは武田さんにしか出せないので、全部武田さんが歌っていた方が良かったんじゃないかなーっていうのが第一印象でしたね」

サツ「身も蓋もないこというね・・・」

バツ「あと、「俺が信長」って曲があって、武田さんが「俺が信長 見知り置け」って歌い上げてるんですけど、これを聴いてると、「あれ、あなたは坂本龍馬の生まれ変わりじゃなかったっけ?」というツッコミを入れたくなります」

サツ「歴史上の人物好きなんだろうから許してあげてよ・・・」

バツ「それから、「俺の人生真ん中あたり」とか「疲れております」とか、完全に4、50代のオッサンに響きそうな歌詞を鉄矢がしたためてるんですけど、鉄矢はこのとき、31歳くらいのはずなんですよね。計算から行くと。ちょっとお前それは身の丈に合ってないだろうという歌詞が多い」

サツ「なんでそんなディスりをしてるのよ・・・」

バツ「ま、そんなこんなで、31歳の若造に説教されてる気分になるアルバムです。それでも~人しか~愛せない~」

中島みゆき『愛していると云ってくれ』→100円

サツ「これ以上、勝手にいろいろ言わせておけないので、次のアルバムに行きましょう」 

バツ「次は中島みゆきさんの78年のアルバム『愛していると云ってくれ』です」

  

愛していると云ってくれ(紙ジャケット仕様)

愛していると云ってくれ(紙ジャケット仕様)

 

 サツ「これは、ユニオンの100円市で買ったんだよね?」

バツ「はい、そうです。中島みゆきさんについては、自分の父親が好きだったせいで、自分が小学生のときとかに家族旅行の道中とかでカーステレオで延々と中島みゆきの曲を聴かされて育ったんで、正直言って、昔は大嫌いでしたね」

サツ「たしかに、小学生がカーステレオで同じ人の曲ばかり聴かされて育ったら、嫌いになるかもね。しかも、中島みゆきは歌詞が暗いの多いしね」

バツ「そんなわけで、このアルバムも小学生のころから知っている曲がほとんどなんですが、実は、自分でちゃんと聴いたのは、これが初めてという」

サツ「自分が小学生の頃の父親の年齢に近づいてきて、やっと中島みゆきを聴ける感じになったということかね」

バツ「いやー、そういうわけでもないですね。100円だし、買ってみるかーって思っただけですかね♪」

サツ「相変わらず、ひどいね・・・」

バツ「ま、そんなことは置いておいて、このアルバムといえば、出だしが「元気ですか」という詩の朗読。もー、小学生的にはトラウマになる曲ですよ。是非、聴いていただきたい。あと、「わかれうた」や「おまえの家」といった名曲も収録されていて、とても強烈なインパクトを残す名盤です。その中でもラストに収録されている「世情」。この曲がとにかく素晴らしい」

サツ「あ、また金八先生第2シリーズネタか・・・」

バツ「バレました?金八先生の第2シリーズの第24話「卒業式前の暴力②」という回で、加藤優始め生徒数名が中学での立てこもり事件を起こした件で刑事に取り押さえられて連行されるというシーンがあるんですが、そこで、この「世情」がフルコーラスで流れるんです。そこのシーンでは、映像はスローモーションになっていて、セリフもなくて、ただただこの曲をバックに中学生が刑事に取り押さえられて連行されていくシーンが流れるんですよ」

サツ「当時、この演出はかなり異例なことで、相当話題になったみたいね」

バツ「しかも、最終回手前のシーンなので、それまでの加藤優の紆余曲折を知りながら感情移入して観ている視聴者にとっては、とにかく印象に残るシーンなんです。このシーンを観たときはとにかく号泣しましたし、今も、パブロフの犬のように、このシーンを観るだけで、ウルっときますしね。ドラマの細かいエピソードとかはほとんど忘れているのに」

サツ「このシーンに「世情」を充てようと思った人はホントすごいよね。ぴったり合ってる」

バツ「ホントにこの曲以外にはありえないってくらいはまってますからね。この曲自体は78年発売でドラマが放送された80年より前に出ているので、ドラマのために書かれたっていう曲ではないですからね」

サツ「金八先生の第2シリーズを知らないって人にも是非観て欲しいドラマだよね。今回の殺伐ジャーナルは『3年B組金八先生』第2シリーズつながりってことだね。第2シリーズ、もう1回観直したいよね!」

バツ「いやー、25話も観るのはダルいんで、別にいまさら全部を観直す気はないですね」

サツ「いきなり、そこでハシゴ外すの!?人としてどうなのそれ!」

バツ「それでも~人しか~愛せ~ない~」

サツ「悲しいけど、ホントのこと!」